卵=太るは誤解?1日何個まで?卵の栄養をやさしく解説 | 最高級卵「紀の夢たまご」公式通販サイト|株式会社あなたに・ありがとう

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2025/08/18 13:16

はじめに

「卵は太る」「コレステロールが心配」という声は少なくありません。けれども、最新の整理では、卵だけを悪者にする考えは支持されていません。鍵になるのは食事全体のバランスで、とくに飽和脂肪(バターや加工肉など)をとり過ぎないことが大切です(※1、※2)。本記事では一次情報をもとに、どれくらい食べてよいか、どんな栄養があり、どう食べると安心かをわかりやすく説明します。

卵は太る?の真相

卵1個のエネルギーはおよそ70kcalで、たんぱく質が多く、糖質はわずかです(※16)。朝食で卵を食べると満腹感が高まり、食欲に関わるホルモン(グレリン)が下がるという試験結果が報告されています(※5、※6、※7)。つまり、体重に影響するのは卵そのものよりも、一緒に食べるものや1日の総カロリーです。ベーコンやバターなど飽和脂肪が多い組み合わせは控えめにし、野菜や全粒穀物、オリーブオイルと合わせるほうが、健康面でも体重管理でも理にかなっています(※1、※2)。

コレステロールと心臓の話

かつては「食事でとったコレステロール=血中の悪玉コレステロールが直ちに上がる」と考えられていましたが、現在はそれほど単純ではないことが分かってきました。公的ガイドラインは、飽和脂肪をエネルギーの10%未満に抑えるなど、個別食品ではなく食事パターン全体の改善を重視しています(※2)。米国心臓協会は、健康な人なら1日1個程度の卵は、心臓に配慮した食事に含められるとしています(※3)。要するに、問題は“卵”ではなく、日々の食べ方の組み立て方です(※1、※2、※3)。

1日何個まで?という目安

健康な成人であれば、まずは1日1個を基準にすると安心です(※3)。そのうえで、揚げ油やバター、加工肉など飽和脂肪の多い食べ方を減らし、野菜や全粒穀物、魚やナッツ、オリーブオイルを取り入れると、心血管のリスクを抑えやすくなります(※1、※2)。体重を落としたい場合は、朝に卵を置くと満腹感が長続きし、総カロリーのコントロールにつながりやすいという報告が複数あります(※5、※6、※7)。

脂質異常症やLDLコレステロールが高めの人、糖尿病や心血管のリスクが高い人は、**個数の前に“食事全体の質”**を整えることが第一です。医療者と相談しながら、卵白の活用や黄身の頻度調整など、無理のない運用を考えてください(※1、※2)。

「2〜3個/日」食べるのはどうなのか?

若い健康な成人を対象に、0→1→2→3個/日と段階的に増やして検証した試験では、2〜3個/日でも悪玉と善玉のバランス(LDL/HDL比)は悪化せず、むしろ善玉のはたらき(HDL機能)が改善し、黄身に多い色素(ルテイン・ゼアキサンチン)の血中濃度が上がったという結果が示されています(※4)。別の試験でも、3個/日の全卵摂取でLDL/HDL比の悪化は見られず、たんぱく質の運び屋であるアポ蛋白などに良い変化が確認されています(※4)。

一方で、これらは主に数週間〜数か月の試験です。年単位の長期の病気発症まで追ったデータが十分にそろっているわけではありません。持病がある場合は、医療者と相談しながら週の合計個数で管理すると安心です。糖尿病の人を対象にした試験では、**週12個(=ほぼ1日2個)**まで増やしても、食事全体を不飽和脂肪中心に整える条件で、血中脂質などの主要指標は悪化しませんでした(※8、※9)。

卵の栄養をやさしく整理

卵は良質なたんぱく質の供給源で、筋肉や皮ふなど体づくりの材料になります(※5、※6)。さらにコリンという栄養素が多く、これは脳や神経、肝臓のはたらきに関わります。目安量(AI)は成人男性で550mg/日、女性で425mg/日とされ、卵1個(L)に約147mgが含まれています(※10、※11、※12)。また、黄身に多いルテインやゼアキサンチンは目の黄斑を守るはたらきがあり、卵を継続して食べると血中濃度が上がることが示されています(※12)。

太らない食べ方のコツ

コツは単純です。組み合わせを見直しましょう。ベーコンやバター、甘いパンなど“高カロリーの相棒”を減らし、野菜+全粒穀物+オリーブオイルのような地中海型の組み合わせへ。調理は、ゆで卵やポーチドエッグ、蒸し焼きなど油を使いすぎない方法が向いています。こうした食事全体の設計を意識すれば、卵の良さを安心して生かせます(※1、※2)。

生食と保存

日本では流通段階の衛生管理が進んでおり、パックに書かれた賞味期限は“生で食べられる期限”という考え方が採用されています。期限を過ぎたら、しっかり加熱して食べましょう(※13)。家庭では10℃以下で冷蔵し、殻は基本的に洗わず、汚れは拭き取るのが安全です。割ったらすぐに使うのが原則で、中心温度75℃で1分以上を一つの加熱目安にすると安心です(※14、※15)。

まとめ

「卵=太る」というイメージは、現在の知見とは合いません。健康な成人なら1日1個を基準に、飽和脂肪を抑えた食事の中で上手に取り入れれば、体重管理や健康づくりの味方になります(※1、※2、※5、※6、※7)。条件によっては2〜3個/日でも短期の指標が悪化しない研究があり(※4)、糖尿病の人でも週12個までなら主要指標が悪化しなかった報告があります(※8、※9)。ただし、持病や薬、検査値によって最適解は変わるため、医療者と相談しながら自分に合った食べ方を選んでください。


情報ソース(※番号と対応)


※1:American Heart Association News. “Here’s the latest on dietary cholesterol and heart health.”(一般向け解説)
https://www.heart.org/en/news/2023/08/25/heres-the-latest-on-dietary-cholesterol-and-heart-health

※2:U.S. Dietary Guidelines for Americans 2020–2025(「飽和脂肪はエネルギーの10%未満」など)
https://www.dietaryguidelines.gov/

※3:Carson J.A.S. et al. “Dietary Cholesterol and Cardiovascular Risk: A Science Advisory From the AHA.” Circulation (2020).
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIR.0000000000000743

※4:DiMarco D.M. et al. “Intake of up to 3 Eggs/Day Improves HDL Function and Increases Plasma Lutein and Zeaxanthin in Young Healthy Adults.” Journal of Nutrition (2017)/Lemos B.S. et al. (2018).
(PubMed 検索)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/?term=DiMarco+2017+eggs+HDL+function

※5:Missimer A. et al. “A 2-egg breakfast vs oatmeal: effects on ghrelin and satiety.” Nutrients (2017).
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29240786/

※6:Ratliff J. et al. “Egg breakfast enhances weight loss.”(食欲・代謝指標の変化)(2010).
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20377921/

※7:Vander Wal J.S. et al. “Egg breakfast enhances weight loss.” (2008).
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18356589/

※8:Fuller N.R. et al. “High-egg diet and cardiovascular risk factors in type 2 diabetes (DIABEGG) – 3-month RCT.” American Journal of Clinical Nutrition (2015).
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25833969/

※9:Fuller N.R. et al. “Effect of a high-egg diet on cardiometabolic risk factors in prediabetes/type 2 diabetes – 12-month follow-up.” (2018).
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29379981/

※10:NIH Office of Dietary Supplements. “Choline — Fact Sheet for Health Professionals.”
https://ods.od.nih.gov/factsheets/Choline-HealthProfessional/

※11:USDA FoodData Central(卵の栄養成分・コリン量のデータ)
https://fdc.nal.usda.gov/

※12:Goodrow E.F. et al. “Consumption of one egg per day increases serum lutein and zeaxanthin concentrations.” Journal of Nutrition (2006).
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16549481/

※13:農林水産省「買う前に知っておきたい、たまごのこと」(賞味期限=生食期限の考え方)
https://www.maff.go.jp/

※14:食品安全委員会(生卵の取り扱いに関するQ&A・啓発資料)
https://www.fsc.go.jp/

※15:消費者庁「細菌・ウイルスによる食中毒」(家庭での衛生の基本)
https://www.caa.go.jp/

※16:MyFoodData「Eggs(Raw)」栄養成分(約70kcal/個)
https://www.myfooddata.com/articles/eggs-nutrition.php

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